デザイナーだより 2022年メギドの日特別号・第3弾

昨日に引き続き「あと1日」を担当した、ぬまによるイラストメイキングを公開!特別に衣装デザインの解説もいただきました!

2022/07/31 18:00
カウントダウンイラストのメイキング、2回目は「あと1日」を担当した、ぬまによる解説です!特別に、衣装デザインの解説もお届け!

目次
「あと1日!」メイキング
特別編:衣装デザイン
①制作の工程:構図
②制作の工程:ラフ
③制作の工程:線画
④制作の工程:着彩
⑤制作の工程:着彩2
⑥制作の工程:仕上げ
終わりに

「あと1日!」メイキング

いつもメギド72をプレイ頂きありがとうございます!アートディレクターのぬまです。
今回は「夏を楽しむメギド達」というテーマでカウントダウンイラストの制作を行いました。
裏話などもできればと思いますので、少し長くなってしまいますが最後までどうぞお付き合い頂けますと嬉しいです!

特別編:衣装デザイン

順番が前後してしまうのですが、最初に衣装デザインの解説をします!

和風ロックのイメージなので、和風な衣装モチーフに加え、ロックらしく全員共通して必ずレザーのパーツを入れてデザインをしました。
ただし、実際にポーズをとらせて描いてみた視認性から、一部イラスト内でアレンジを加えている部分もあります。

■ダンサー

ヴェルドレのモチーフは白拍子です。
元々のキャラクターデザインモチーフに白拍子のイメージも少し含まれていた、というのもあり決定しました。
ヴェルドレらしい薔薇モチーフをふんだんにあしらい、メギド体のリボンなどで個性をより出しつつ、シルエットは四角いカクカクした部分を取り入れることで白拍子らしくなるように意識していました。
ロック的な要素としてコルセットで腰を締め、レザーの長いズボンを袴に見立てたシルエットにし、動きやすいように、かつヴェルドレの美脚を魅せられるよう中央部を大きく割いて足を露出しました。
どんなポーズをしても全てのパーツが綺麗に靡くように意識しました。

ムルムルは巫女をモチーフにデザインしました。
ヴェルドレの白拍子と並ぶようなイメージで巫女を選択しました。
ヴェルドレは下半身にレザーの要素を持ってきたので、対になるようムルムルは上半身にレザーの要素を持ってきました。
パッと見た時にかなり大人っぽい印象に出来たのがお気に入りです。あまり見えないのですが、袴の下はレザーのパンツを履いています。
髪型も踊った時に綺麗に動くようにと、より新鮮味が増すように意識してアレンジしました。

ニバスはお祭りの踊り子さんをイメージしてデザインしました。
子供の頃に東北の方で見たお祭りで、踊り子さんがみんな楽しそうに笑顔で踊っていたのを思い出し、ニバスの芸風にぴったりだと思い、選択しました。ニバスらしく星のマークなど、明るいイメージの模様をふんだんにあしらい、パッと見てキラキラ!なシルエットになるように心がけました。
全体的に幼さが残るデザインですが、ニバスは小柄ながらもスタイルが良いので、そこも意識してデザインをしました。

■ボーカル

「幼い頃に生き別れた姉と弟が巡り巡って敵同士となり、再会して戦うも、腕に巻いたお守りの数珠のおかげでお互いを姉弟と認識し、最後は一緒に悪の殿様に立ち向かう!」という架空のロックミュージカルの主役の姉弟イメージでデザインをしていました。
プロメテウスは、心優しい性格ながらも弟の身の安全を保障するために家を出て、やむを得ず悪の殿様を支えている忍者役のイメージです。
忍者なので身軽にしつつも、袖を広くして、中に何か仕込めそうな雰囲気も出しました。実際に、パフォーマンス中にここから手裏剣などを出して構えてもかっこいいなと思っています。髪飾りや腰の装飾などにメギド体や元の衣装の要素を取り入れ、プロメテウスらしさも出しました。
ロキは一見クールに見えて誤解されがちですが、心の内には熱いものを秘めており、幼い頃に自分のせいで連れ去られた姉を助けるという強い信念を持っている孤高の剣士というイメージでデザインをしていました。色味は元のデザインから引用しつつ、ややダークな印象を出しています。
二刀流もかっこいいなと思い、上半身は身軽にしました。メギド体モチーフの鎧を身につけていて、舌にあたる部分はファーになっています。元のデザインのジャケットにあったコルセットをつけるか悩んだのですが、服の構造を考えているうちに、流石にこれ以上は暑そう…と思い、お腹を出すデザインにしました。
姉と弟の役のイメージなので、お揃いの要素として羽や数珠をつけ、おそろいの数珠を掲げて背中合わせのようなポージングにしていました。

更にデザインしながら考えていた脳内設定ですが、
ムルムルはロキの前に度々現れてはに占いで意味深な助言をする占い師、ニバスはロキの旅の道中で出会い、一匹狼のロキの旅に無理やりついてくる明るい性格の町娘、ヴェルドレはプロメテウスに寄り添う、悪の殿様お抱えの白拍子、などと考えていました。イラストはハッピーエンドを迎え、最後に敵味方役関係なく楽しく歌って踊っているシーンです。
イラストの画面外にもいろんなキャストがいて、歌って踊っているかもしれません。

■楽器隊

楽器を扱うメギド達は機能性を重視して、ダンサーやボーカルよりも腕まわりが動かしやすいよう身軽な衣装にしています。

アスラフィルとグシオンはベースをお揃いにして、アスラフィルは普段パンツスタイルなのでスカートに、グシオンは逆に普段スカートなので、パンツスタイルにしました。
また、それぞれにメギド体のモチーフで羽や毛皮を入れて個性を出しました。
アスラフィルの楽器は、ギターと三味線をミックスしたようなデザインにし、グシオンの楽器は、先のデザイナーだよりでも少し触れたのですが、古代アジアの楽器「箜篌」をモチーフにしています。立ったまま演奏できるように少しアレンジを加えてみました。

べバル、アバラムもベースはお揃いにして、それぞれの元のデザインの要素を取り入れてデザインをしました。
イラスト内ではあまり見えなくなってしまっていますが、べバルはト音記号、アバラムはヘ音記号、ソックスも対にして双子感を出しています。それぞれの楽器はリジェネレイト後のメギド体が扱う楽器から着想を得てデザインをしました。特にドラムは和太鼓風にアレンジしつつ、シンバルが宙に浮いていたり、メギド体の腕が生えていたりするのもポイントです。


―― ぬまの頭の中で展開された、架空のロックミュージカルの衣装解説でした!それでは、メイキングのスタートです!

①制作の工程:構図

まずアナログで、小さいスケッチブックに構図イメージを出しました。
とある休日、外に出た時にカフェでどんな風に描こうかなーと考えていたら構図が降ってきたので、メモ帳に描いていきました。同時に衣装デザインもなんとなく考えていました。
その後写真を撮ってPCに取り込み、デジタルで構図を整理していきます。
大まかに構図をとりつつラフに進行します。

②制作の工程:ラフ

デザインした衣装を元にどんどん描いていきます。大まかな配置を決めましたが、ラフ時にもちょこちょこ調整をしながら描いていました。
画面から音が聞こえそうな絵作りを心がけていたので、ライトなどもなるべくカラフルにしたり、色味や効果を72%にしたりしなかったり、キャラクターの前後感や配置で勢いを出せないかどうか試行錯誤していました。
このキャラクターはどんな背景を持ち、どんな感情で何を見ているのかというのをいつも色々想像しながらいつもラフを描いています。
今回の場合は色とりどりのライトで輝く観客席を見て、楽器を鳴らし、歌って踊って、何を思うのか、それを表情に出せたら良いな…と色々楽しく考えていました。
考えているうちに舞台の上だけでなく、舞台裏でも、こんなやり取りがあっただろうな…等どんどんこの1枚の絵に到達するまでのバックヤードの想像が膨らんでいっていました。
着替え中、グシオンに髪の毛を結ってもらって、アスラフィルもうれしかっただろうし、グシオンも文句を言いながらも満更でも無さそうだな…だったり、ヴェルドレがムルムルにお化粧をしてあげて、緊張気味でいるのを励ましていたり、ニバスがロキの化粧に挑戦してみるものの、大失敗してそれをプロメテウスが直してあげたり、ベバルとアバラムはお互いに衣装の装飾を付け合っていて、お揃いな部分を見て笑い合っていたりハイタッチをしていたり…。更にその前にはラフな格好でリハーサルやお稽古もしていただろうし…。

普段肌の露出が少ないキャラクターの足を描いたりするのは、実は結構緊張感を持って作業をしています。目に見える部分から、実際に目の前にいたらこれくらいの体型、肉付きだろうか…をかなり試行錯誤しながら描写しています。
特に、アスラフィルはいちばん前にいて目立つからこそ「足をイケメンに描く!」という信念を持って描いていました。

③制作の工程:線画

ラフを元に線画を起こします。
ラフで大雑把な部分はこの時点でデッサンを整えながら詳細を詰めて行きます。
キャラクターの手や足、爪を描くのがとても楽しかったです。
手のディティールもこの時点で整えていくのですが、手は第二の表情と思っているので、顔の表情と同じくらい指先の演技や、力の入れ方に気を使っています。
余談ですが手前の方のキャラクターの線画作業中のブラシサイズが7.0pxで、惜しい!!と思ったので、途中から7.2pxにして作業していました。

④制作の工程:着彩

まずベースカラーを順光で塗ります。
レザーの質感にはかなりこだわって色を塗っていました。途中で線画が邪魔になってしまったりする部分は調整したりなど、一度着彩に進行しても気になった部分や、デザインが気に入らなくなった部分等は直しながら進行していたので、結構前の工程と行き来をしていました。
一回全て塗り終わった後に戻ったりもしていて、結構大変でした。
ロキのインナーの不透明度はロックから69%と悩みましたが、せっかくのメギドの日なので72%にしました。(100%だと真っ黒で透けない状態になります)
熱気が感じられるように、みんな汗を散らしたりもしています。

さらに上から効果をつけていきます。ラフの時に、キャラ全体に上から載せた効果レイヤーを統合せずにとっておき、最後に合わせて整えていきます。
ベースの空間の光の色(夜なので青系の色)で一回暗く落とした後、提灯の黄色系の明かりの色や花火、ライトの色味を足していき、明るくしていきました。
どこからの光が、キャラクターのどこにどれくらいの量当たるかを意識しながら塗っていきます。

⑤制作の工程:着彩2

後ろのキャラクターやステージも同じように線画→着彩と進行していきます。
ステージの模様は別ので作ったものを歪ませてパースに馴染ませています。

⑥制作の工程:仕上げ

背景の提灯や花火を描き、上からより熱気が高まるように効果や、ライトを入れたり、このままだと全体的にごちゃごちゃしてしまうので、全体的な絵の視認性を意識しながら仕上げて完成です!!

終わりに

途中話が飛躍し過ぎてしまった部分もありましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。少しでも楽しんで頂けましたら幸いです!
改めましてプレイヤーの皆様のおかげでメギドの日を今年も迎えられました。本当にありがとうございます…!
ファンアート展も、どの作品もとても楽しく全て拝見させていただいています。
イラスト部門では、1クリエイターとして、どの作品もとても勉強になるな…すごいな…!と思うと同時に、私自身も創作意欲が奮い立てられております…!
ハンドメイド部門では、全て欲しい!!!食べたい!!!と思いながら、指を咥えて見ておりました…!自分は手先がかなり不器用なので、尊敬しかありません…!
中にはメギドの衣装を実際に作ってくださっている方もいて、デザインしている側でも「あ、あの複雑な衣装をどうやって…!!」と内心すごく驚いています。
スクショ部門では、こんな楽しみ方があるのか!と私自身も知らなかったメギドの新しい楽しみ方を見出せたり、モーション内の一瞬の構図をうまくおさめていて、写真家の展覧会を見ているようでとてもワクワクしておりました。この構図、描きたいなぁ…と思ったり…。
そしてどの部門も、皆様のメギド達への愛が溢れていて、とても胸が熱くなります。皆様のおかげで、また周年へ向けて頑張っていけます!
これからも皆様のメギドへの熱量やご期待に応えていけるよう、アートチーム一同全力で取り組んで参りますので、今後ともメギド72をどうぞよろしくお願いいたします。

タイトル メギド72
ジャンル 絶望を希望に変えるRPG
対応OS iOS/Android
推奨環境 iOS11.0以降 / Android5.0以上
(RAM2GB 以上) ※一部端末除く
価格 アイテム課金制
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