デザイナーだより　4周年特別号・第2弾

今回のデザイナーだよりは4周年特別号・第2弾として、2021/11/24(水)に発売された2nd Full Albumで使用された描き下ろしイラストについて解説します。

ぜひ、ご一読ください！

今回、第2弾として発売した「メギド７２ -MUSIC COLLECTION-」のアートワークについて、ご紹介できればと思います！

コンセプト決め

まずは各CDのアートのコンセプトを決めるため、ラフを色々切ってみたり、アイディアを出し合ったりしてどんな方向性がいいか議論することにしました。

ソロモンとメギド体のシルエットを合わせたクール系の案や、第1弾のCDと実は時系列が繋がっていて、ステージで歌ったり演奏する人たちの舞台裏で、ソロモンたちが正装して花を持って待機している華やかな集合絵、逆のバージョンで記念の花を贈られたソロモンの満開の笑顔だったり、バトルをコンセプトにした不死者たちとのキービジュアル風やメインストーリーの登場キャラから連想した武器と背景のどこか切ないサントラ用のイメージだったり…自由に想像を膨らませて描いています。
ざっくりな絵で恐縮ですが、没案のラフも公開しちゃいますね！

▲没案：ソロモン主体のクール系／舞台裏のソロモンたち／花束を贈られたソロモン

▲没案：ソロモンと不死者／武器と背景を主体に

メギドの世界を彩る至極の音楽たちをどう絵で表現するか、と話し合った末、やはりメギドの主人公であるソロモンをBOXの表紙として据えつつ、それぞれのCDにフォトンの色を込めたテーマカラーを設定し、Songsは歌唱組を、OSTはコンセプトアートに登場したメギドたちをメインに、そして今回のCDの曲を聴いているソロモン、シバ（ヘッドフォンとか）を描く、という方向に決まっていきました。

当初、CDの背景をグラフィック調にしたらより映えそうだねと話していたのですが、SongsやOSTのキャラ数が予想以上に多く、画面がミッチミチになってしまいグラフィックがあまり入らないということもありました（笑）

また、音楽に関わるイラストなので、寄崎さんともイメージを共有しながら着々と決まっていきました。

フォトンの色について

先にお話ししたとおり、表紙以外の3枚のアートについて、大きく3つのテーマカラーを設定しています。
それぞれアタックフォトンの青、スキルフォトンの黄、チャージフォトンの薄い紫を示しています。どれも違った用途・効果のあるフォトンで、その時々で使い分けるものですが、メギドたちに力を与えてくれる原動力の要です。
色々なジャンルの音楽を、気分やシーンでセレクトして、日々の生活に彩りを与えてくれたらという思いを込めました。

第1弾の正面のソロモンに対し、第2弾では横顔を撮影したようなイメージにしています。
また、背景はグラフィックが入る予定だったので仮で入れていますが、ラフのイメージでは背景のカラーも第1弾との対比で黒を基調とし、それぞれのCDで使ったフォトンカラーをフォトンが見えるソロモンが身に纏っているようなコンセプトで描いていきました。
後ろの影のシルエットはソロモン、もしくはダムロックにすることも考えましたが、情報量が多くなってしまいそうだったので、背景周りについては完成イラストではより削ぎ落として洗練されたデザインとなっています。

横顔では、ソロモンの目力が際立つよう瞳に明るいオレンジをのせ、眉や口元も凛々しい表情にしてみました。
いつものメギドのテイストとは違い、アーティストのジャケット写真のような雰囲気にしたく、アナログのざかざかしたタッチでデザインしています。
第1弾の時も、タッチをどうするか、カラーをどうするかなど沢山悩んでいた記憶がありますが、今回もラフの荒いところが良く見える部分を、どう生かして清書していくかがとても難しかったです。

▲ラフ

線画の状態でもカッコよく見えるようにハッチングやベタなどのタッチを残すことにこだわりました。
ソロモンのアホ毛についても出来れば画面に収めたかったのですが、ペタンと元気が無くなって見えるよりはありのままの自然な形がいいかなと思ったので、そのまま見切れさせました。

▲線画

キャラクターソングスということで、華やかな歌唱衣装を纏ってステージで歌う13人と2匹（？）を描きました。
こちらはフォトンカラーでいうとオレンジのスキルフォトンをテーマカラーとしています。歌という技を使いこなすイメージで、楽しげに歌っている姿がより輝いて見えるようにオレンジのスポットライトを照らして見ました。
こちらもグラフィックが入る想定だったため背景は仮のデザインですが、野外ステージにしています。
実は、曲が出るたびに歌唱衣装もデザインしていまして、今回初めてCDのイラストというかたちでお披露目できました。メギドの個性を大事にしつつ、曲に合わせたイメージでデザインしています。きっと全体の衣装や解説を知りたい方も多いと思うのですが、申し訳ございません、そう遠くない内に改めてご紹介できれば嬉しいです。

当初はもっとキャラ数が増える予定で、どこに描こう…と戦々恐々したときもありました（笑）
躍動感のある絵にしたかったので、ランダム感のある配置にしています。
第2弾ということでバラムとパイモンはお互い向かい合わせになってピースサインをしていたり、マルチネとハックも背中合わせでバディ感を出してみました。
デカラビアはクックックと見下ろすような表情が映えるポーズにして、オレイは華やかに空中から参戦！プロメテウスはみんなと歌えるのが楽しくてたまらないという表情にして、逆に、ガープはどこかぎこちない様子に。フォカロルは熱唱しているし、ジズは一生懸命歌っていて、ベヒモスはいつものテンション。ダゴンは人一倍元気に歌い、フルフルはローテンションだけどいつもよりちょっと照れ気味という感じです。
▲左：ラフ／右：完成イラスト

収録曲に合わせて、4章から9章までで活躍したメギドたちを描きました。とはいえ活躍するメギドはたくさんいるため、公式Twitterでも公開していたコンセプトアートに登場するメギドに絞りつつ、4章といえば、不死者が初めて仲間になる！ということでパイモンにも登場してもらいました。
アタックフォトンがテーマカラーに決まったので、そこから連想して月明かりに照らされながら静かに曲を聴いているような、中には眠ってしまうキャラもいたりするようなリラックスしているシーンを描きました。
メギドの曲を聴いて、日々の疲れが癒やされますようにという願いも込めています。イラスト的には動のSongsと静のOSTですね。
ただ、キャラクターの入りがミッチミチになってしまったので、こちらの衣装についてはラフの時点ではシンプルなフォーマル衣装にして、色も統一感を出して視認性が良くなるように気をつけました。 衣装の細部はイラストを描きながら決めていったのですが、みんなお揃いのバラのモチーフをつけているのがポイントです。
配置については、一緒に活躍したメギドは近くなるように分けていったのですが、大人数のグループがどうしても入りきらず…。悩んでいたところ、遠くから見守る彼と、何かと気にかけているあのメギドの近くにいる彼が思い浮かび、ピースがかっちりハマったと思いました…！
▲ラフ：ざっくりと衣装を決める／完成イラスト：細部まで描きこまれている

今までのイベントのBGMが収録されるCDのジャケットとして描き下ろしました。こちらはチャージフォトンの色がテーマカラーとして決まりました。最終決定稿ではイラストにコミカルな要素として取り入れています。
今回のCDに収録される曲を聴いているという設定から構図を何パターンか出し、その中から方向性など更に話し合い、決めていきました。
楽しそうに二人で聴いているものや、

▲ラフ：楽しそうに聴くソロモンとシバ

花＝曲として沢山の花の中で楽しそうにしている二人など。（当初縦長の構成も提案されていたため、縦長で起こしたラフもあります。）

▲ラフ：花に囲まれたソロモンとシバ

機械技術に長けたメギドたちが新しく開発した、「譜面を読み込んで音楽を再生するモーナ風の機械」で音楽を聴くシバと、今までの冒険の中で感じた音楽を、音楽に長けたメギドたちに協力してもらって譜面に起こして運んでいるソロモン、そんなソロモンにイタズラを仕掛けたインプです。

音楽を再生する機械は初めはイベントの「キミに捧げし大地のソナタ」に出てきた口しかない幻獣のデザインをしていたのですが、「シバは可愛いほうが喜ぶかも。」と思い、今のモーナ型の機械になりました。

▲ラフ：モーナ型機械になる前

CDのロゴやパッケージで使用されているラインのグラフィックは、「旋律」や「共鳴」といったイメージを表しています。たくさんの意思、個性が響き合いながら、ひとつの大きなうねりを産み、美しく広がっていくさまがメギド７２の軍団のあり方に通ずるところもあるなと感じています。
実は今回のCDだけでなく、別のゲーム外施策でも使われていたりしますので、よろしければ探してみてください。

いかがだったでしょうか。
ぜひ、完成したイラストと見比べたり、曲と同様に楽しんで見ていただけたなら幸いです。

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4周年カウントダウンイラスト（公式ファンアート）、直良有祐さんによるタイトルイラスト