デザイナーだより vol.78

今回のデザイナーだよりは、現在開催中の召喚特異点『恋しき楽園にさよならを』で登場のベルゼブフと、現在販売中の「魔宝石セット（無料おまけ付き）」で入手できるプルソン、ルシファーの７２ヶ月記念衣装について解説します！

ぜひ、ご一読ください！

凛とした騎士をイメージして制作しています。
正気を失う前のデザイン画があったため、こちらを元に、印象を崩さないよう3D化にも適したデザインに落とし込んでいきました。

メインストーリー内で紆余曲折あり、正気を失う前の状態に戻れたような状態ですので、元々の立ち絵にあった包帯などは全て取れています。
美しい物が好き、という設定をライターから共有されていたため、クールで綺麗な印象になるようにし、色味等もサタンとの対比をより意識しました。
その際にも、元のデザイン画の印象を損ねないようベルゼブフの凛とした立ち姿を想像し、かつベルゼブフらしさを見せることにデザイナー一同非常にこだわって制作しています。入手された方は、ぜひ3Dで戦う姿も見ていただけると嬉しいです！
立ち絵に関しては、氷の騎士というコンセプトで全て制作しています。勇ましくかっこよくありながらも、冷静な一面や美しさを煌めく氷を纏わせることで表現しました。
クールで頼れるリーダーというイメージが強かったため、表情もクールに、でもどこか熱く戦うようなイメージで描いていますので、進化させてみていただけると嬉しいです！

原典ではハエの王という設定ですが、あえてさらに強い「ハエを喰らうもの」としてハエトリグモをモチーフにしました。
事前にライターからキャラクターイメージやコンセプトが共有されるのですが、その中に記載があった「理想主義」という性格から、万事を滞りなく進める精確さ、力としての強さ、そして見た目の豪華さを表現しようと思い、メカニカルな要素を盛り込みました。
また、ヴィータ体が騎士をコンセプトにしたデザインなので、中世騎士の甲冑のようなデザインにもしています。
全体的にベルゼブフの内面を現したデザインにしており、美しいものが好きということなので薔薇のモチーフを全体に入れています。
上のほうは綺麗な模様が入った美しい鎧を纏っているのですが、反対に、下の機械部分は正気を失っていたころの名残をイメージして、禍々しくデザインしました。
蜘蛛の頭部分は王様らしく王冠のイメージにしており、騎士の兜にも見えるようにしています。王冠には串刺しになったハエを模した装飾があります。

モーションデザインのコンセプトについて

ベルゼブフには結晶や宝石のような整った美しさを感じていて、その印象から動きに無駄のない優雅さで、まるで彫像が意志を持っているような表現にまとめてみました。
結晶のイメージは、そのまま結晶の剣という形で演出上にも採用しています。
内面的な要素も考慮はしていますが、心情をあまり表に出さない性格でもあり、演出上は騎士然とした振る舞いが強調されています。
戦闘スタイルについては、直接的な戦闘技能は他の戦争巧者程ではないものの、天才的なセンスと卓越したフォトンの操作技術で強さを確立しているタイプとして考えていきました。

[スキル]
ベルゼブフのアタックやスキルは連続攻撃ですが、そのまま連続で斬る攻撃ではなく、複数の結晶の剣を召喚することで上述したフォトンの操作技量を表現しつつ、連続攻撃として成立させています。
召喚した剣の本数で攻撃回数が分かりやすく、絵的な派手さや強者感を強調できたと思います。
スキルでは、全体攻撃としてみても違和感が起きづらいように、巨大な剣を召喚し広範囲を薙ぎ払う攻撃方法を採用しています。
フォトンを剣の形にしているのは、攻撃に適しているというのもあるのですが、実は独自の美的センスからのこだわりも含まれています。

[覚醒スキル]
ベルゼブフの演出は「闇の力を秘めた騎士」という軸で構成しています。
スキル等で使用する結晶で構成された剣はベルゼブフが本来持っていた力、右目に収まる赤黒い粒子を操る力は、後天的に変質した力の象徴になります。
覚醒スキルでは、その闇の力を眼帯から漏れ出す程度に使用している演出になります。
闇の力は、ベルゼブフの原典等になぞらえて蠅の群体のような見た目にしていて、不安定で危険だけれど強力な能力という位置づけで扱っています。

[奥義]
他の演出の優雅さから一転して、闇の力を全開放しておぞましさを強調した演出にしています。
剣をフォトンに分解して眼帯から闇の力が覗くという展開で、本格的に制御の枷を外す様を表しています。
闇の力に覆われた後の右目の奥に宿る光は、孤独の深淵からも希望の光が輝くイメージで、薄明光線・光芒の表現を参考にエフェクトを作成してもらいました。
右目の奥に結晶があり、それが闇の力を制御する核になっているという裏設定的なものがあります。
台詞が他のものより荒々しい様子だったので、他のモーションとは異なり脚を大きく開くなど力強さを感じさせる動き方にしたり、表情も力を解放する昂りを抑えられない感じにして全体的な雰囲気を合わせるようにしました。
メギド体は機械的な要素と蜘蛛の要素が奇妙に入り混じった姿形だったので、照準を合わせてレーザーを射出しつつ、それが蜘蛛の巣状になって降り注ぎ敵の力を弱めるような表現になっています。

公式X(旧Twitter)による「奥義」モーション

[勝利]
冒頭では、髪を払い眼帯を整える所作で気品のある雰囲気を強調しています。
戦闘後は武器を周囲のフォトンへと還しており、その際に時たま手遊びとして結晶の花などを作って見つめています。
演出としては、フォトンの扱いが長けている描写として採り入れています。
花自体は特に強い意味があって作っている訳ではなく、いつの日か見て気に入ったという些細な理由だろうと考えています。（メギド体にも薔薇の意匠があるのでもしかしたら他に理由があるかもしれません）
結晶で作るのは花だけではなく、或る日の猫であったり他のメギドからの要望に応えていろいろ作って見せることもあるかもしれないですね…。
全体的にキザっぽい振る舞いに見えるかもしれませんが、本人としては自然体でむしろ心を許した相手の前での態度を想定した演出を意図しています。
薔薇状の花が出る演出が既にいくつかあるので、今までの演出の印象と差別化して、花の持ち方や所作などからベルゼブフらしさを感じられることを重視しました。
花を眺める際は、哀愁や安堵といた複雑な心情を含んでいる微笑みを浮かべています。

公式X(旧Twitter)による「勝利」モーション

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――　ベルゼブフのデザイン解説でした！召喚特異点『恋しき楽園にさよならを』は、2023/12/14(木)14:59まで開催です！

続いて、「魔宝石セット（無料おまけ付き）」で入手できるプルソン、ルシファーの７２ヶ月記念衣装の解説です！

華やかなお祝いの日に記念写真を、というコンセプトで衣装とイラストを考えていきました。
そんなお祝いの日のフォーマルな装いだけれど、プルソンならいざというときはすぐ戦闘に参加できるよう動きやすさを重視にするかもしれないなと思い、クラシカルでありながらきっちりしすぎないデザインにまとめています。
パステルカラーの緑のシャツに、腰回りはスマートに見えるようカマーバンド風でまとめ、かっこよさを追加するために肩や太ももにガンホルダーのデザインを取り入れました。
腕まくりは、プルソンらしいヒーロー感を出すために肌を見せて活発な印象が出るようにするためにまくっています。
上下で体のシルエットが見えるデザインですが、金装飾があしらわれたマントやミニハット、ジャボで立体感が出るようにして、スキルや奥義で画面が映えるように模様や形状を考えました。
武器は衣装と並べたときに上品な印象となるように銀色にしています。
後ろから見たときに、マントの金色と武器の銀色で、プルソンのメギド体のリジェネレイト前と後の金銀を表現してみました。

プルソンと同じく記念写真をコンセプトにデザインとイラストを制作していきました。
メギド体の薔薇や帯状の布が蔓のように巻き付いている姿を表現したいと考え、スカートやヘッドドレス、レースタイツに薔薇のコサージュと模様をふんだんに取り入れてゴシックでドーリーな衣装に落とし込んでいます。
このスカートは後ろからみるとふんわりとした形状に見えますが、座ったポーズを取った時に足を綺麗に見せられるように、中はタイトスカートになっています。
おそらくルシファー自身が選んだというよりは、周囲のメギド達がこれがルシファーに似合うのでは？こっちはどう？と話し合って色々と着せ替えしてできた衣装なのではないでしょうか。
本人もそんな着飾った姿を見てまんざらでもない様子で座っているのかもしれない、と思いながらイラストを描いていきました。
背中の翼は普段の黒色から白色に変更して衣装と合うようにピンクのグラデーションを入れています。
中央の翼は茨が這うようなデザインにして、暗い場面でも映えるように黄色で縁取りました。
武器は黒を基調に、ハンマーの側面にステンドグラスのような意匠を取り入れてフォーマルな場面に合うようにしています。

――　プルソン、ルシファーの７２ヶ月記念衣装解説でした。

それでは、次回の更新もお楽しみに！

■バックナンバー

前回のデザイナーだより
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