デザイナーだより 39キャンペーン座談会（前編）

今回のデザイナーだよりは特別編として、2022/4/6(水)に公開された「３９＆４６ プレゼントキャンペーン」の描き下ろしイラストの解説をお届けいたします！合作イラストということで、アートチームのぬま、石原と、特別ゲストとして3月末でチームを卒業した米倉を迎え、座談会を行いました。

ぜひ、ご一読ください！

▲３９＆４６キャンペーン描き下ろしイラスト

――　まずはお名前と、皆さん気になっていると思いますので担当したメギドを教えてください！

石原：サキュバスを担当した石原です！
ぬま：ぬまです。イラストではロノウェとフルカスを担当しました。そしてー！
米倉：皆さんこんにちは、お久しぶりです♪インキュバスを担当した米倉です！

――　あのメギドは…？という疑問もありますが、後ほど確認するとして、最初に39キャンペーンの経緯…今回のメギドが選ばれた理由などをお願いします。

ぬま：39キャンペーンの経緯ですか…。
米倉：「ユーザーさんに感謝の気持ちを伝えるイラストを描いていただけませんか？」とマーケティングの方から相談されたのがイラスト制作のきっかけでした。
ぬま：マーケティング担当さんからは「感謝のイラスト」と言われたのですが、公開日が4/6予定と聞いて39と46と、4月は新生活応援…と、どんどんコンセプトが増えていって。なぜか真っ先に、「夜露死苦（よろしく）の概念をまとっている」とグラシャが確定したんですよね。
米倉：そうそう、3番と9番ということで決めようかと話していたら…。
ぬま：自然にグラシャがいて、あとで「あれ？なんでグラシャが…？」となって確認したらみんなが「え？夜露死苦（よろしく）ってグラシャじゃん？」って(笑)
石原：なんかね、共通概念で「夜露死苦（よろしく）といえばグラシャでしょ？」みたいな感じで、何の違和感もなかったですね。
ぬま：「サンキューよろしく新生活応援」で制作はじめますね、と伝えたところ、マーケティング担当さんが「別途キャンペーンで''よろしく”を絡めるつもりだった」と。やっぱり4/6ならよろしくだよね！と盛り上がりました。
石原：最初に話したとおり、後ろのロノウェとフルカスがぬまさんで、米倉さんがインキュバス。
米倉：石原さんがサキュバスで、ちびしゃらボラスは…あ、そう呼んでいたのですが…(笑)ラフがぬまさん、線画・着彩は私が担当でした。

――　ちびしゃらボラスは分業していたのですね！

ぬま：そう、けっこう手分けしてやってましたね。

――　どうやって担当するメギドは決めたのですか？

米倉：なんかもう、好きに…(笑)やりたい人ー？って感じに決めていきましたね。
3人：そうそう(笑)
ぬま：あとちょっと…業務的な話になると工数の兼ね合いとか…(笑)
石原：大人の話になっちゃいますが(笑)工数という現実的なところと、インキュバスとサキュバスはそれぞれの得意分野から選んでこうなった感じです。
ぬま：それぞれの強みみたいなところで分担して…石原さんは「かわいい女の子」得意だし、米倉さんは「顔がいい男」得意だし…。
石原・米倉：顔がいい男(笑)
ぬま：私はなんというか、ガッツというか力強い感じが得意だし…で分担しましたね。
米倉：ぬまさんが構図を描いてくれたので、その流れでいちばん後ろのロノウェとフルカスを先に描いて…あとは描きやすいように。
ぬま：当初はキャラクターが3体の構図だったのを、私が無理やり増やしたので2体やりますって。
石原：責任取るって(笑)
米倉：ラウム入っていたらもっと増えていたかも。
石原：すり合わせながら描いていて、グラシャも本当はぬまさんが担当だったけど、途中ピンチヒッターで米倉さんが描いて。
米倉：そうそう、他の仕事と並行して描いていたので「もうちょっと待ってください」「進捗まだです！」みたいな感じでやってましたね。

――　3人で描くときってどういうふうに描くのですか？

ぬま：チャットでチャンネルを作って、最初に構図案をいくつか出して構図を決めて…。

▲ラフA案（2種）

▲ラフB案（2種）

ぬま：2案を2ポーズずつ提出したところ、B案で全員一致したため構図案をブラッシュアップして構図を確定。

▲ラフB案のブラッシュアップ版

ぬま：この時点で、大体このくらいのサイズで描いてほしいというのも決まっていました。
米倉：ここからみんなでラフを描いていって、完成したのでこれにあわせていってください、という感じです。
石原：いちばん最初にぬまさんのフルカス、ロノウェが完成して、次にインキュバスが描かれて、最後サキュバスが合間を縫って登場！みたいな。
米倉：徐々にできていった感じですね。最後にちびしゃら描いて…。
ぬま：で、効果を乗せて、結合して完成！
米倉：ポイントがあって、サキュバスはリボンが3になっていて、インキュバスは鉢巻きが9になっていて…。
石原：実はラフを描いていたときに米倉さんが「鉢巻き9にできるかも！」と言って9をつくってくれて、それなら「サキュバスのリボンで3つくる！」って。

▲サキュバス＆インキュバスのラフ

石原：衣装もこだわりがあって…サキュバスの衣装はちゃんとサキュバス仕様になっているんですよ。

▲サキュバス仕様にアレンジされたフルカスのチアリーダー衣装

米倉：胸元の英語が「THANK♡YOU」になってますね！魅力的なお腹とか…インキュバスがうれしそうだなっていう。
石原：骨盤のハイライトが拘りポイント！
ぬま：骨ばった感じがね！

――　サキュバス見た瞬間、腰の部分で「わーーーっ」てなりました！

米倉：わかる！くびれがヤバい！

――　こうなると、それぞれのメギドの「こだわりポイント」が聞きたいですね。石原さんがちょっとすごいことになりそうですが…。

石原：「腹チラサルガタナス」でデビューしているから大丈夫(笑)サキュバスは骨盤と足ですね。あと、言っていいのかな…どうしても脇が描きたくて…。衣装デザインを考えていたときに、最後まで袖をつけるか悩んだんですけど「いや脇っ！」って。

――　チアリーダーの衣装っていろいろありますよね。

石原：昔のチアリーダーの衣装も調べてデザインしていたのですが、最終的にフルカスの衣装をサキュバス仕様にアレンジしました。

――　サキュバスはフルカスの衣装をアレンジ…ということはインキュバスは…？

米倉：そうです。ロノウェの衣装をアレンジしています！リジェネレイト前後のモチーフと、カスピエル・メフィストと3体セットになることが多いので、そんな要素がないか探して、袖口をチェッカ―模様にしてお揃い感を出しています。それと、インキュバスは着崩しそうなんですよね。なので、首元はだいぶ緩めにしています。お腹は肌を見せるか迷ったのですが、さらしを少し見せてロノウェとお揃いにしています。あと感謝のナックルがポイントですね。

――　最初の案から追加されていますよね。もうちょっと感謝要素入れますって。

米倉：ぬまさんがラフの時点で入れてくれていたので、それをいかにゴツくするかと…。
ぬま：メギドらしく感謝で殴ろうと…。
米倉：感謝の正拳突きみたいな…ひたすら感謝感謝と言いながら描いていました。テイスト的に、厚塗りとかアレンジすること多かったんですけど、久々にちゃんとメギドの塗りを意識して塗った気がします。

――　コントラストがしっかりしているというやつですね！

米倉：そうですね、あとベタとかちゃんとつけたり…。

――　次にちびしゃらボラスのこだわりポイントを…。

▲ちびしゃらボラスのラフ

石原：ちゃんと目が光ってるよね！
米倉：ちゃんと咥えてる！
3人：笑い
米倉：ちゃんと咥えて…ちょっとコミカルに走ってる感が出ているのがかわいい。
石原：「ブオーンブオーン」ってなってるんですよね！
ぬま：デフォルメ感は気を使いました！
米倉：筒があるのでそこからエンジン吹かせているのかもしれない(笑)かわいく、でも塗りはメギド！って感じに重厚な感じを出しました！
石原：旗の「夜露死苦」も、死と苦しむを出していいのかってずっと言ってたけど…イメージとしてはこれがいちばんしっくりくるから！ってこのままになりました。
米倉：メジャーな感じでいこうと。レイヤー名も「ちびしゃらちゃん」にしてかわいがってました。

――　やるぞ！っていう感じが伝わりますね。

石原：画面を駆け抜けていますからね！
ぬま：でも描いているときは、脳内で「ぷい～ん」って可愛い感じでしたけど(笑)
米倉：どこまで走りきるんだろうね…画面の向こうまで…。
ぬま：ピリオドの向こうまで…。

――　グッズ化したくなりますね。

米倉：そうですね。お弁当とかにピック差してほしい。
ぬま：夜露ピック
3人：ほんとだ(笑)
ぬま：こうやっていつも脱線するんです…。

――　ではフルカス、ロノウェのこだわりを。

ぬま：フルカスは目力と、あとリップはこだわっています。ポンポンがゲームだと固いイメージなんですけど、さすがにそれだと怪我しちゃうな、と思ったので少し柔らかいイメージで描いています。
石原：棘はついてるけど(笑)
ぬま：ロノウェは…歯茎！
全員：歯茎…
石原：あー！私もそこ好きです！！犬歯のところの！
全員：（納得）
ぬま：あと…フルカスと一緒ですが、目力。
米倉：本当は全部描いているんですけど隠れちゃってるんですよね。
ぬま：そうなんです。構図的に隠れちゃうので「顔で勝負！」という感じに…顔周りにとにかく力を入れました！歯茎、目力…あと皺にもこだわってますね。
米倉：線画がすごく力強いなって思いました。
石原：勢いがしっかりある！
ぬま：ベタ多めでやってますね！
米倉：イラストから感じる顔の圧がすごいですよね。
ぬま：ポスターにして貼ったときにめちゃくちゃ応援が聴こえてきそうな感じにしようと思って…。

――　後ろにいる2体の圧が、サキュバスとインキュバスを押し出しているような感じしますね。

ぬま：後ろから押すぞ！熱い感じで。
米倉：「熱血！メギド学園」みたいな。
ぬま・米倉：描いていてすごく楽しかったです。
米倉：ゲームの中では3人合作というかたちでやれることもないので、できていくのがリアルタイムで見れて本当に楽しかったです。
石原：米倉さんの卒業も決まっていて、「最後にみんなでやりたいね」って言っていたので実現できて本当によかったです。

――　チャットの流れが文化祭っぽいですよね。準備期間中みたいな。なんというか、みんなでベニヤ板にペイントしている感覚を思い出すというか…。※先述の作業チャットを全員で見ています

米倉：たしかに！デジタル版の作業みたいな。
ぬま：同じかも。しかも、時間がけっこう遅くて、
石原：夜になるにつれてだんだん離脱していって「ぬまさん最後ヨロシク」みたいな感じに去っていく。
米倉：バタバタしていて。しかも次の日私と石原さんがお休みだったから最後ぬまさんに全部任せちゃって。
石原：3人でキャッキャしながら描けたのが本当によかった！時間的に追われているものの、最後まで楽しくて。他の作業と並行してでしたが、1カ月くらいワイワイやってましたね。作業をまとめると2、3日くらいで塗ったような気がする。
米倉：そういえば、インキュバスの顔って描いていて難しいなと思って…何回も描き直しました。

――　難しい？どのあたりでしょうか？

米倉：目のクマというか線と、鼻筋が、影みたいな…細い線が他のキャラクターにあまりない特徴的な鼻で。
石原：顔のバランスも難しい印象ありますよね。童顔にしすぎてもいけないし…。
米倉：髪型も、このちょっとニョキッと出ている尖っている髪の毛があるかないかで印象が違うし、後ろもぴょんと立たせないとインキュバスっぽくならないなっていうのを悩みながら描いていました。でもかっこいいなー。

――　完成イラストを見て、それぞれの特徴、ここを見れば誰が描いたかわかるというような要素はありますか？

石原・米倉：あります！わかりますよ！！
石原：ぬまさんは表情のつけ方がぬまさんだって思いながら見ていました！
米倉：輪郭がシャープなスッキリしたシルエットになるのがぬまさんって感じがする。
石原：仕上がったらめっちゃありますよね。

――　石原さんが描く女の子は、体のラインというか、柔らかい部分と骨ばった部分の描きわけがすごい。

石原：めちゃくちゃこだわって描いています！

――　ぬまさんは、くちびるのつや感が見た瞬間ぬまさんが描いたとわかるレベルの色気ですね。

米倉：口の演技ですよね。
石原：たしかに！ロノウェもそうですよね！歯茎の魅せ方とか！

――　それぞれにあるんですね…。

石原：私、インキュバスの腰回りの演技も好きです。
ぬま：ちょっと前に出てる感じ。
石原：骨盤の角度が好き。
米倉：しならせるの好きです。
石原：これによってポージングにケレン味が生まれるというか。
米倉：ソロモンとかのポーズがすごくしなっていたので、テイストとして、しなりは特に気をつけて描いていたかもしれない。

――　ソロモンの、腰の、しなり…？

3人：そうそう！ソロモンしなってますよ！
米倉：ただの棒立ちじゃなくて、少し角度をつけたカッコイイ立ち方というか…。
ぬま：ソロモンの体のラインを描くときって、書道みたいな感じで、「とめ」「はね」「はらい」じゃないけど、「くっ！くっ！」ってなるんですよ。
米倉：S字っぽい感じにｗ

――　確かに…？ソロモンの立ち方ってマネするの難しそうですよね。

石原：重心のかけ方がね。
ぬま：きついモデル立ちみたいなね。
米倉：少年漫画っぽい感じですよね。
石原：感謝の文字も達筆だと思ってました。
米倉：繋げちゃうと見づらいから、ところどころ離したり…メギドの世界に漢字はあるのか？と思いながら…。

――　先ほど「とめ」「はね」「はらい」の話がありましたが、これはソロモン限定で気にしている部分ですか？

米倉：それでいうと全般、ですね。動きをつけたほうが見栄えすると思ったので、★5、6でどんどんしなりが強くなっていきますね。
ぬま：なかでもソロモンは露出が多いので、筋肉のしなやかさとか締まり具合といった部分で意識するし、装飾が少ないぶん衣装などのケレン味で動きを出していかないと動きが弱くなっちゃうので…。後ろのマントとか「シャーッ」って派手な動きになるように描いたりとか、もう習字…。
石原：「はらい」の部分ですね。
米倉：イラストの調整もマントの角度とかきれいな流れになるように直したりしますもんね。
ぬま：体のラインがよく出る衣装やキャラクターは「とめ」「はね」「はらい」意識しています。

――　インキュバスのコートは確かにすごい風を送らないと出せないラインになっていますね。

米倉：これは、ちびしゃらボラスの風ですね。
石原：風を感じる部分はすべてちびしゃらボラスのブオーンブオーンです！
ぬま：彼はいい仕事しています。
米倉：直線的ではなく曲線を意識するというのはよくありますよね。
石原：直線にしちゃうと全部がカッチカチに堅いイメージになってしまうので、キャラクターを描くときは直線が生まれないように気をつけています。ベタの入り方にしても人体のアウトラインにしても、意識的にできるだけ直線にならないようにしています。
米倉：唯一、男性のお腹周りとかね、胸板周りだけはちょっと直線的にしていいかな、と思っています。
石原：逆にそのへんは固さや力強さを表すためにやったりします。
米倉：逆三角形のからだ、みたいな。
ぬま：逆三角形はやっぱり腰でとめて、下半身ではらう…習字ですね。

――　たしかに、引きでイラストを見ると直線はほとんど見当たらないですね。そして、それが自然な体のラインに見えるというか…。

ぬま：直線で立つ機会って、考えてみると健康診断の身長測定くらい…？崩したほうが自然なんですよね。

（続く）

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近日公開予定の後編では、39キャンペーンから離れて、これまでの制作や、熱い告白などをお届け予定です。お楽しみに！

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