解説には、メインストーリーやサイドストーリー(キャラストーリー)、イベント等のネタバレが含まれる場合があります。ご注意ください。
- 目次
- 1. メギドラルの作戦について
- 1-1. ハルマゲドン計画
- 1-1-1. ハルマゲドン計画とは何か
- 1-1-2. ハルマゲドン計画で重視されたことについて
- 1-1-3. 軍団主導で立案・実行されたハルマゲドン作戦について
- 1-1-4. 実行された作戦の成否についてメギドラル側ではどう捉えられていたか
- 1-1-5. ハルマゲドン計画とサタンの関係について
- 1-1-6. ハルマゲドン計画と母なる白き妖蛆、プルトンの関係について
- 1-2. マモンの第三計画「エクソダス」
- 1-2-1. 第三の計画とは何か
- 1-2-2. 魂の炉とは何か
- 1-2-3. 追放メギドと魂の炉の関係
- 1-2-4. マモンが一人でやり遂げようとしたのはなぜ?
- 1-2-5. 第三計画VSフライナイツ
- 1-2-6. 「彼の世界」に対するマモンの思い
- 1-3. バビロン計画
- 1-3-1. バビロン計画とは何か
- 1-3-2. メインクエスト6章で展開された作戦について
- 1-3-3. バビロン計画が主流にならなかった背景
- 1-3-4. 白き妖蛆がバビロン計画を推進しようとした理由は何か
- 1-3-5. アンチャーターとは
- 1-3-6. 起動したアンチャーターに違いがある理由は?
- 1-3-7. アンチャーターの「器」とは
- 1-3-8. アンチャーターの破壊とその後の動き
- 1-4. 母なる白き妖蛆
- 1-4-1. 蛆にとって「生命や個」はどのような位置付けか
- 1-4-2. 蛆はベルゼブフやソロモン王に好意を持っているのか?
- 1-4-3. 協力者や手先となる存在との関係はどういうものか?
- 1-4-4. 実体を得たことで何が起きたのか
- 1-4-5. 母なる白き妖蛆を説得して止めることはできないのか?
1-4. 母なる白き妖蛆
■1-4-1. 蛆にとって「生命や個」はどのような位置付けか
母なる白き妖蛆にとって、生命というのはよくわからないものでもあり、自分以外の意識に接触しても、自分とは違う自我を持っているのだということがなかなか理解できません。だからフライナイツのような組織のメギドを可愛がってはいても、個別の存在としてはあまり認識できないのです。例えるなら、水槽に入れた熱帯魚を可愛がることはできますが、どの魚が誰かというのはなかなか区別がつきません。また、同じ種類の熱帯魚が原産地には無数に存在しているというのも、頭でわかってはいてもピンときません。もし水槽からその熱帯魚が原産地に逃げたら、個体を探し出して回収するのはほとんど不可能なことです。蛆にとって生命とは基本的にそういうものなのです。
しかし明確な個性、熱帯魚のヒレの形が他と違うなどのわかりやすい差異が認められれば、水槽の中でも原産地でも、その個体がわかるかもしれません。蛆にとってベルゼブフやフライナイツ、そしてソロモン王は、そうした認識(マーキングと言ったほうがいいかもしれませんが)がある数少ない生命なので、かなり特別なのです。だから、この特別な個体に接するときだけ、蛆の態度は「自分以外の意識」を認めて尊重しているかのような態度になります。蛆にとっては善意ではなく、利用できるようなら利用するという姿勢があるとしても、他の生命への態度とは明らかに違って相手の意思に対して語りかけているのです。
だからこそ、蛆のその特別の対象になったベルゼブフやソロモン王は、どこか母なる白き妖蛆を憎み切れません。上位存在でありながら、間違いなく個と個の繋がりがあるからです。
しかし明確な個性、熱帯魚のヒレの形が他と違うなどのわかりやすい差異が認められれば、水槽の中でも原産地でも、その個体がわかるかもしれません。蛆にとってベルゼブフやフライナイツ、そしてソロモン王は、そうした認識(マーキングと言ったほうがいいかもしれませんが)がある数少ない生命なので、かなり特別なのです。だから、この特別な個体に接するときだけ、蛆の態度は「自分以外の意識」を認めて尊重しているかのような態度になります。蛆にとっては善意ではなく、利用できるようなら利用するという姿勢があるとしても、他の生命への態度とは明らかに違って相手の意思に対して語りかけているのです。
だからこそ、蛆のその特別の対象になったベルゼブフやソロモン王は、どこか母なる白き妖蛆を憎み切れません。上位存在でありながら、間違いなく個と個の繋がりがあるからです。
■1-4-2. 蛆はベルゼブフやソロモン王に好意を持っているのか?
母なる白き妖蛆にとって、認識できたメギドがベルゼブフだったというのは結果論でしかありません。人間が目の前を飛んできた虫を意識するように、蛆は自分が観測している世界でたまたま気になる存在を見つけて接触してみただけです。それが好ましい存在か、そうではない存在かはその時点ではわかっていませんでした。蛆流の観測に屈服し、母なる白き妖蛆にとって「好ましい存在として振舞う」ことにしたのはベルゼブフのほうです。
ただし、ソロモン王のように「好ましくない存在であっても特別な存在にはなりうる」というところが、母なる白き妖蛆の複雑なところです。同様に、矛盾しているかのように理解するのが難しいのが、蛆はこれほどメギドという存在に干渉し、幻獣とは別格の特別な存在とまで認識しているにも関わらず、全般的な意味ではメギドという種族のことを、滅亡を願うほど嫌っているのです。
ただし、ソロモン王のように「好ましくない存在であっても特別な存在にはなりうる」というところが、母なる白き妖蛆の複雑なところです。同様に、矛盾しているかのように理解するのが難しいのが、蛆はこれほどメギドという存在に干渉し、幻獣とは別格の特別な存在とまで認識しているにも関わらず、全般的な意味ではメギドという種族のことを、滅亡を願うほど嫌っているのです。
■1-4-3. 協力者や手先となる存在との関係はどういうものか?
個としての認識は薄いものの、協力的ではあると認める生命もあります。それがメギドの協力者たちで、劇中ではプルトンやデミウルゴスが該当します。ただし、母なる白き妖蛆にとって協力的であるという点でデミウルゴスも夢見の者たちも大差はありません。デミウルゴスと夢見の者のスタンスが違うのはメギドラルの中での話で、蛆にとってはあまり意識する必要のない差異なのです。母なる白き妖蛆は、サタンやマモンを個として認識していません。情報として名前は知っていますが、どれがそうだかわからないし特に興味も持っていせん。
眠り姫以外のアンチャーターも特別な存在として認識していません。ロクスの行動は、ロクス自体が持ってしまった生命全般への憎しみによるもので、母なる白き妖蛆の考えや思惑によるものではありません。
また、イレーザーにしても、そうした任務を作り上げたのはフライナイツ自身なので、蛆が命じたものではありません。母なるものは個別のメギドを認識するのが苦手なので、フライナイツは大雑把な方針だけを受け取ります。たとえば、「最近幻獣を片っ端から殺してるメギドの集団がいるらしいから排除して」という方針を受け取ったあと、それがどの軍団のことなのか探り当てるのはフライナイツ独自の調査になります。そして対象がわかった時点で、イレーザーやときには軍団のような集団が動員されて、対象をメギドラルから消し去ります。場合によっては、様々な立場から様々な組織を動かし、一見すると普通のメギド同士の戦争のように見せかけて潰すこともあります。それからしばらくして、母なるものから不快なものがなくなったと反応があればフライナイツにおける任務は成功しているというわけです。
メギドがメギドに対してどういった行動に出ようと、母なる白き妖蛆はほとんど興味を示しません。
眠り姫以外のアンチャーターも特別な存在として認識していません。ロクスの行動は、ロクス自体が持ってしまった生命全般への憎しみによるもので、母なる白き妖蛆の考えや思惑によるものではありません。
また、イレーザーにしても、そうした任務を作り上げたのはフライナイツ自身なので、蛆が命じたものではありません。母なるものは個別のメギドを認識するのが苦手なので、フライナイツは大雑把な方針だけを受け取ります。たとえば、「最近幻獣を片っ端から殺してるメギドの集団がいるらしいから排除して」という方針を受け取ったあと、それがどの軍団のことなのか探り当てるのはフライナイツ独自の調査になります。そして対象がわかった時点で、イレーザーやときには軍団のような集団が動員されて、対象をメギドラルから消し去ります。場合によっては、様々な立場から様々な組織を動かし、一見すると普通のメギド同士の戦争のように見せかけて潰すこともあります。それからしばらくして、母なるものから不快なものがなくなったと反応があればフライナイツにおける任務は成功しているというわけです。
メギドがメギドに対してどういった行動に出ようと、母なる白き妖蛆はほとんど興味を示しません。
■1-4-4. 実体を得たことで何が起きたのか
母なる白き妖蛆は、偶然にも魂の炉を利用して実体を得る機会がありました。これは蛆にとって大変な衝撃でした。なんといっても、幻獣を通じた感覚でしか知り得なかった世界を、自分自身がそこに存在することで知覚できるのです。このことは、蛆にとっての欲をより具体的にさせ、それを実現させる手順、つまり計画にも大きな変更を加える原因となりました。
もっとも大きな変化は、これまで別世界の存在に任せていたことを、実際に自分で行うということです。これは蛆の欲をより深く満足させるので、ここに至って急に蛆はこれまでの協力者を当てにしなくなり、あれほどかき回していたメギド社会への干渉にも興味を失いました。蛆にとってメギド社会への干渉は、嫌いな生き物の巣を突っついて生活を邪魔するような遊びだったので、実体を得て、それがいかに時間の無駄で意味のないことかをスッと理解したのです。自分が、自分で、自分のやりたいことをやる。皮肉にも、これまで理解できなかった生命という存在の行動原理を、母なる白き妖蛆は体感したのです。実体を得てからの蛆は、バビロン計画を自分の力で実行させることに注力しています。
母なる白き妖蛆が肉体を得ることで生命の感覚を理解し始めているとすれば、次に蛆を待ち受けるのは挫折になるはずですが、それは物語のもう少し先で描かれることになります。
もっとも大きな変化は、これまで別世界の存在に任せていたことを、実際に自分で行うということです。これは蛆の欲をより深く満足させるので、ここに至って急に蛆はこれまでの協力者を当てにしなくなり、あれほどかき回していたメギド社会への干渉にも興味を失いました。蛆にとってメギド社会への干渉は、嫌いな生き物の巣を突っついて生活を邪魔するような遊びだったので、実体を得て、それがいかに時間の無駄で意味のないことかをスッと理解したのです。自分が、自分で、自分のやりたいことをやる。皮肉にも、これまで理解できなかった生命という存在の行動原理を、母なる白き妖蛆は体感したのです。実体を得てからの蛆は、バビロン計画を自分の力で実行させることに注力しています。
母なる白き妖蛆が肉体を得ることで生命の感覚を理解し始めているとすれば、次に蛆を待ち受けるのは挫折になるはずですが、それは物語のもう少し先で描かれることになります。
■1-4-5. 母なる白き妖蛆を説得して止めることはできないのか?
そもそも、蛆は自分のやりたいことを最近まで正しく言語化できていませんでした。それができるようになったのは、たまたま偶然の閃きから魂の炉を利用して肉体を得てからです。母なる白き妖蛆を支配している欲は「創造」であり、蛆は自分が観測している世界と同等の物質存在として、自分の内面世界を実体化させたいのです。それは純粋な欲であって理由はありません。欲なので曲げません。損得ではないので、他者からの説得には一切耳を貸しません。達成まで我慢はできても、捨てることはできないのです。
メギド質問箱特別編は今回が最終回!最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました♪
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