【2023年メギドの日】メギド質問箱※7/27更新

メギドたちはチャトランガを遊び感覚でやっているため、そこまでストイックにプレイしているわけではありません。

なので思い付きの戦術をその場で試してみたり、いつもと違うことをふとやってみたりとプレイに一貫性がなく、勝敗のつき方にもバラつきがあります。

そんな中でも高い勝率を誇るのはアルマロスで、彼女は無駄な手をほとんど打たず、確実に勝利を取りにいく傾向にあります。ですが予想外の一手に弱いため、初心者のメギドやバラムなどとは相性が悪いようです。

次に勝率が高いのはマルファスで、彼は自陣の守りをしっかりと固めてから攻めに入るタイプです。長丁場になりやすいので、飽きっぽいメギドは彼を苦手としています。またプルソンのような攻め一辺倒のメギドにも勝率が高いようです。一方で、一撃必殺を狙うような打ち方をするメギド、たとえばベリトなどには思ったように打てずに負けてしまうことが多いようです。

逆に勝率が低いのは今のところコルソンで、彼女はそもそもルールを完全に覚えきれていないので無理もありません。

少し面白いのはベバルとアバラムで、彼らは1人で打つとさして強くはないのですが、2人で組んで打つと手慣れた打ち手を困らせるほど粘り強さを見せることがあります（ただ、途中で2人のケンカが始まることが多く、最終的にはそのせいで負けてしまうのですが）。

ミノソンもチャトランガに関してはかなりの実力者です。
しかし運の要素が完全にないゲームのせいか、彼女は率先してチャトランガをプレイしようとはしません。メフィストも、そこに関しては同様のようです。ちなみに、実力的にはミノソンのほうが上です。

また「ソロモン王の日常・春」でも触れられていたと思いますが、バラムは極めていやらしい打ち方をするため、アジト内のチャトランガーに少々嫌われています。
いやらしい打ち方というのは、勝ちが決まっている状況であえて取る必要のないコマを次々と取って相手を辱めたり、次の手に迷っている打ち手を挑発し頭に血を昇らせたりするなどです。
そのため、こういう打ち方はアジトでは反則になりつつあり、その反則があった場合には観戦している第三者が「バラム！」と叫ぶと反則認定されるという独自のルールができあがりつつあります。しかしバラムは今のところ、その事実を知りません。

王宮に出入りしていることが多いメギドでいえば、ダンタリオンやカイム、マルチネなどがお茶会に多く参加しています。カクリヨに出入りするようになってからはフーリーチンもそこに加わることが多くなりました。

そんな中で、お茶会に参加する意外なメギドといえばアリオクです。
やや潔癖な彼女には、どこか雑然としたアジトよりも整然とした王宮のほうが肌に合うようです。しかし、彼女が口にするのはお茶だけで、誰がどのように作ったかわからないケーキやクッキーなどは一切、手を出そうとはしません。アジトでは渋々そうした料理も食べているようですが、やはりハルマの拠点といっても過言ではない王宮では、普段以上に警戒心が強くなっているようです。

それを案じたシバの女王や他のメギドたちは、ある日のお茶会の際、みなで一緒にクッキーを焼くという趣向を考えました。アリオクも当然それに参加したのですが、なにでできているのかわからない薄手の手袋や厳重なマスクを装備して調理に挑むアリオクの姿に、その場にいた全員が呆れてしまったそうです。

とはいえ、当のアリオクは楽しんでいたようなので趣向そのものは成功といえるでしょう。

アルマロスの椅子はダイダロスという工匠メギドが彼女のために作成したもので、節約家のアルマロスらしく、省フォトンを目的としています。これにより、歩くよりもさらに少量のフォトンで移動が可能となるのです。しかし「移動」以外の機能はありません。

一方、フルカネリの所有する歩く椅子「アルクーン」は、マキーネのパーツを流用してタムスが作り上げました。フォトンを利用して移動を行う点はアルマロスの椅子と同様ですが、フォトン効率の面ではアルマロスの椅子に劣っています。
しかし、どれだけ傾いてもこぼれないドリンクホルダー「コボレナイン」や、虫よけスモーク射出装置「ムシクルナー」、飼い猫シャンパーニュのための自動ブラッシング装置「ニャントリマー」など、「移動」以外にも多彩な機能を持つのが特徴です。
フルカネリはこの椅子を量産し売り出すことを計画していましたが、椅子の動力部に使用した内燃機関が実は希少なものだと判明したため、計画は見送られました。

移動速度について言えば、浮遊するアルマロスの椅子のほうがやや速いようです。
しかし急な坂道、崖道などの踏破性に関してはアルクーンが勝ります。

また弱点で言えば、アルマロスの椅子はフォトンが完全にない場所では動かすことができません。フルカネリの椅子はそれを見越して、緊急移動用の内燃機関が別に備え付けられており、フォトンのない場所でも少しの間、稼働させることができます。
しかしその内燃機関のせいで、水中などではショートしてしまうという欠点があります。

必要に迫られソロモンがメギド体に乗ったことは幾度かあります。その中でも数が多いのはブネ、グラシャラボラス、ベヒモス、シャックスでしょう。

乗り心地の面だけでいうなら、一番は断トツでシャックスです。綿のようなふわふわした羽毛に包まれた彼女のメギド体は上質の布団のような心地よさなのです。
グラシャラボラスやブネは外皮が固いため、シャックスに乗ったときのようにリラックスはできません。しかし、ブネのメギド体に乗れば大空を飛ぶ高揚感が味わえますし、グラシャラボラスのメギド体に乗れば風を切って走る爽快感が得られ、それぞれ捨てがたい乗り心地だといえます。

ベヒモスはシャックスの羽毛ほど柔らかくはないものの、やはりふわふわとした毛皮が心地よく、またグラシャラボラスに似た風を切って走る爽快感も得られるので双方の良いところを併せ持っているといえるかもしれません。

それらを踏まえて、ソロモンが機会があればいつか乗ってみたいと考えているメギド体はネビロスのメギド体、そしてヴィネのメギド体です。ネビロスのメギド体は独特の機械のような形状をしており、これに乗って敵と戦いながら飛べたらカッコイイかも…とソロモンは密かに思っています。またヴィネのメギド体はその背に城のようなものが載っているため、そこでみんなで生活できたら楽しいだろうなと思っているようです。

▲シャックス／ブネ／グラシャラボラス
▲ベヒモス／ネビロス／ヴィネ

ほとんどのメギドは、意図せずうとうとしてしまったような状況を除けば自室で寝るだけなので、アジトで寝心地がいい場所と問われてもベッドの上と答えるでしょう。

自室以外で好んで寝るメギドは、フルフル、アロケル、イヌーン、グリマルキン、アガシオンくらいです。このうちアガシオンは壺の中が自室と考えているだけなのであまり参考にはなりません。

フルフルが好んで寝るのは台所が多いです。これは彼女が料理を担当することが多いのも一因ですが、台所が石床のためひんやりとしている、というのも理由のようです。柔らかい場所で寝るのも好きなようですが、固い床には固い床で寝る良さがあるというのが彼女の持論で、ベッドで寝るのに飽きると台所や廊下などに移動します。それにも飽きると中庭の木陰で寝ていることもありますが、基本的には室内で寝るのが好みなようです。

アロケルは狭くて暗い場所で寝ることが多く、倉庫の片隅や、台所の食材箱の中などで寝ていることが多いようです。とはいえ、明るかろうが広かろうが寝ることはできるので、姿が見えないと思うと屋上で大の字になって寝ていることもあります。結局のところ、アロケルにとって寝心地がいい基準は「誰にも邪魔されないこと」のようです。

イヌーンは中庭に小屋を持っているので基本的にそこで寝ることになっていますが、実際には滅多に小屋で眠ることがありません。彼はいろいろな人のベッドに潜りこみ寝ることを好みます。誰かに誘われベッドに入ることもあれば、勝手に入ることもありますが、それに怒るメギドはあまりいません。怒りそうなメギドのベッドに入ることは本能的に避けているのでしょう。彼にとって寝心地がいいのは、寝ながら軽く自分を撫でてくれる者のベッドで、ベッドの質や毛布の質にはあまり関心がないようです。

最後にグリマルキンは猫の姿になって、どこかの隙間で寝ています。彼女は孤高の猫なので、イヌーンのように誰かと同衾することはあまりありません。部屋の主がいないときに勝手にベッドの上やタンスの上などで寝ることが多いです。要するに誰もいなければいいので、夜中の台所や広間の片隅で寝ていることもあります。そのため、アジトには誰も覚えのない謎の毛が部屋に散乱している様子がちょくちょく見られます。

と、ここまで書いた結果、部屋以外で寝るのが大好きなメギドたちの中でも台所で寝るメギドが最も多いので、寝心地が最もいい場所は台所ということになるのでしょう。

バールベリトは実務的な行動をするメギドです。たとえばゲームをやろうぜと誰かが言い出したら、自分からちゃんと駒を数えたり配置したり、全員分の札の配布を行うタイプです。

一方エウリノームは自分からはなにもせず、配られた札をうまくやりくりしてちゃっかり勝ってしまうようなタイプです。この2人が組むと、組織的な仕事の上ではわりとうまくいくことが多くなります。ただし小さな不満はバールベリトだけに一方的に溜まっていくことになります。

たとえば、とある軍団を密かに2人で殲滅しようという作戦が実行された場合――
まずバールベリトが敵軍団の規模、軍団長の特定、注意すべきメギド、優先的に倒すべき標的、などを独自に調べ上げます。エウリノームは自分ではこの段階ではなにもしませんが、やるべきことはちゃんとわかっているので「敵の居場所はわかったのか」「敵が作戦中なら軍団を分けて行動しているかもしれん」「こちら側の戦力は5名ほどでいいだろう」など、お小言を言ってきます。またそれが、ちゃんとわかっているけど一度にそこまで調べきれない、あるいは順番に処理しているのでどうしても手配があとになるというものについて、うまい具合にバールベリトが手を付ける直前で言ってくるわけです。これはエウリノームの優秀さの証でもあるのですが、言われるバールベリトも同じくらい優秀でちゃんとわかっているので、お小言が出る度に「イラッ」とします。時には軽くキレて返すのですが、エウリノームは飄々と受け止めて「わかっているならいい」とか「ただの確認だ、なぜ怒る」とか、微妙にズレた返しをしてくるので、バールベリトはさらに「イラッ」とします。

作戦の直前、説明が下手なのを自覚しているエウリノームは、集めた戦力に対して作戦説明をバールベリトに丸投げします。この段階で、5名集めたはずの戦力が1人足りません。エウリノームが、報告された敵の規模から再計算して4名で十分だろうと判断したためです。ここではまだバールベリトも副官として「グッ」と我慢します。しかし問題はさらに作戦が実行されたあとも次々と起こります。注意すべきメギドは出会い頭に全部エウリノームが倒してしまい、逆に優先的に倒すべき標的は、敵の軍団長に向かって突撃するエウリノームからはスルーされて、代わりにバールベリトが相手をするか別の者に指示を出してわざわざ狙わせます。そうこうしているうちにエウリノームが軍団長を倒して敵の軍団を各個撃破にまで追い込みます。その段階でも、逃がさないように友軍を配置しようとするバールベリトを尻目に、エウリノームは目に付いた敵を片っ端から倒していきます。これがうまく行き過ぎると、戦力として集めた4名はほとんどなにもできず、バールベリトとエウリノームだけで敵を倒してしまうことになります。

作戦成功でエウリノームは上機嫌ですが、バールベリトは精神と体力の面で疲弊してぐったりしています。そこでエウリノームからさらに追い打ちのように「戦力4名は余分だった、次は減らせ」とお小言が来るのです。バールベリトはここでキレるべくしてキレるわけですが、エウリノームは飄々と受け止めて「次回に生かすべきことだ、なぜ否定する」と、微妙にズレた返しをしてくるわけです。

このように、バールベリトは多くの戦場で苦労を重ねています。

まずオジサンなので、やる気に火が付いて本気を出すまでにちょっと時間が掛かるというのがあります。

若者のようにすぐに力の限界まで引き出せるような身体的な勢いがもうないのです。

また疑り深い性格と慎重さから、相手の出方を見て、ある程度能力を探って底を見極めてからこちらの力を示すという戦術でもあります。ストーリーに関わるような責任ある戦闘では絶対しませんが、普段はこのやり方で負けそうになった場合、スタコラ逃げ出してしまうようなこともあります。

逆転を好んでいるといえば好んでいますが、それより単純に若者の力を見るのが好きというオジサン的な面が強く出ているのかもしれません。

ヴァイガルドにおいて、傭兵が駆り出されるような仕事は基本的に命を失う危険性を伴うものであり、楽な仕事というものはありません。

稀に酒場の用心棒のような、比較的安全な部類の仕事などありますが、そんな仕事でさえも命を失うことはあり得るのです。
ましてイポスが率いるような集団の傭兵が雇われる案件となれば、それがいかに緊急の事態かが窺えるでしょう。
イポス自身、「楽な仕事」や「おいしい仕事」というものはないという前提で仕事を請け負うようにしています。油断や慢心こそが仕事の危険度を高める最大の要因であることを、彼は知っているからです。

そんなイポスの仕事履歴の中で、最も辛酸を舐める結果となったのは、やはりウァレフォル率いる盗賊団との一戦でしょう。
互いの存在を知らなかったとはいえ、転生メギド同士が率いた集団による戦闘ですから、戦争さながらの大規模な乱闘になりました。結果、ウァレフォルは片目を失い、イポスは両肩に深い傷を負ってしまいます。しかし、イポスが「辛酸を舐めた」と感じたのは、その傷が原因ではありません。雇い主の死亡という不慮の事態により仕事の成功報酬にありつけなかったからです。メギドである彼にとって戦いの中で傷を受けることは「大変」なうちには入らないのです。

モフたちは、アジトの保管庫に置かれている武具などをチェックし、手入れをする仕事を行ってくれています。

そんな中、大変だったのはある日のロノウェの鎧の手入れでした。
ロノウェが戦闘中、敵の攻撃を防ぎきれずにぬかるみで転倒してしまったのです。鎧の細部にまで泥が入り込み、一度完全に分解して洗浄する必要がありました。しかもロノウェは翌日にもソロモンたちと共に出かける予定があったため、鎧の洗浄に使える時間は限られている状態でした。
ロノウェ自身は、翌日帰って来てからでも構わないと言いましたが、きれい好きのモフたちが、それを良しとするわけがありません。

みなが寝静まった夜、モフたちは総動員でロノウェの鎧を素早く分解し洗浄を始めたのですが、いざ分解してみると、細かいパーツの歪みや傷なども気になってしまいました。そこからは時間との勝負。数名で鎧を磨きながら、数名で鎧のパーツを作るという突貫作業の始まりです。
モフたちは基本的に夜行性とはいえ、夜通しの作業はなかなかに厳しいものがありました。しかし、がんばりの甲斐あって、ロノウェの鎧は朝までに見事に新品同様のピカピカになったのです。

ただ、夜中にアジトの片隅の工房で鍛冶作業を行ったため、工房近くのメギドが寝不足になり少し怒られてしまいましたが……モフたちの気持ちを汲み取ったロノウェがみなに説明してくれたおかげで、大事には至らなかったようです。

エルプシャフトの多くの土地では死者を土葬にするのが一般的ですが、カクリヨでは火葬を行うのが一般的です。

エルプシャフト文化圏では死者の魂は大地に還り、やがて大地の恵みとなって循環すると考えられていますが、一方でカクリヨでは死者の魂は生き残った人々が受け継ぐものとされています。そのため、遺体を火葬し、死者の魂を受け継がんとする人々がそれに立ち合うのです。

また、火葬後に焼け残った遺骨は小さな器に収められ、希望する者に分け与えられます。これは「骨牌」と呼ばれ、携帯する墓所のような役割を持ちます。稀に一部の特別な人々にのみ、墓所が建てられることがありますが、一般的とまでは言えません。

エルプシャフトは死を身近に置かず、自然の営みの中でふと死んだ人々を思い出すような死生観であるのに対し、カクリヨでは常に人の死を抱き続ける死生観だと言えるのかもしれません。

エルプシャフトも多様な食文化を持っていますが、カクリヨでもまた独自の多様な食文化を持ちます。

特徴的なのは米で、エルプシャフトの人々が主に麦などの穀物を主食とするのに対し、カクリヨの人々は米という穀物を主食としています。ただそのまま食べるだけでなく小麦のように粉にしてそれを麺状にしたり、また炊いた米を発酵させ酒にしたりすることもあります。
中でも変わった使用法は、川で採れた魚を炊いた米に漬け込むという料理で、時間と共に米が発酵し、魚はその中で腐らずに熟成していくのです。
この魚料理はカクリヨの人々の中でも好き嫌いが分かれるらしく、フーリーチンのような酒飲みは好んで食しますが、ツルギやバイフーなどのような酒を飲まない若い人々は敬遠しているようです。

また変わった食材でいえば、毒性のある芋を粉にした後水に溶き、それに灰を混ぜ、さらに煮てから固めたものがあります。そうする事で毒性が消え、食べられるようになるのですが、加工の過程で栄養もほとんどなくなってしまうため、どうしてそこまでしてそんな芋を食べようと思ったのかは誰にも分っていません。
しかしプルプルとした食感は他の食材にはない独特のもので、煮物などに入れて食べられています。

王都以上の規模の都市はヴァイガルドには存在しません。

トーア公国、ヴェステン公国などは時に「大国」などとも言われますが、王都の規模に比べればあくまで小都市に過ぎません。
エルプシャフト文化圏はあくまでエルプシャフトを中心とする事を前提とした国家です。そのため、エルプシャフト以上の規模の都市の建造はそもそも認められていませんし、都市の拡張の際には「公国」であってさえ、厳しい制限を受けているのです。

メルクリウスの設定的なイメージは、「空飛ぶ機関車」です。

構造的に、前半分の巨大な機関車部分と、そこに連結した巨大な客車によって構成されています。かなり大きいもので、機関車部分だけでも30ｍくらいあります。

メルクリウスの操縦席は全体の真ん中あたり、機関部と客車をつなぐ連結部の真上です。馬車の御者台のイメージです。ふきっ晒しの中で立ったまま操ります。周囲は広いですが、安全用の柵などはありません。
タムスが常駐して操る機関部の中は、大型の機械が組み合わさっていて、人が四つん這いで通れるくらいの隙間があります。操縦席の脇にも穴が開いており、タムスがちょっと顔を出したり出入りできるようになっています。機関部には誰でも入れますが、なにがどうなっているのかはタムスか、セーレの養父であるダディオにしか理解できません。
機関部の大型シリンダーの中にも補助的な制御スペースがあり、そこにはネルガルが入り込んでいます。シリンダーからの操作はネルガル以外にはできません。

メルクリウスは後ろの客車を付け替えることによって、運用目的が変化します。通常は遠方への任務移動用として、小型のキャビンが付けられています。劇中のカットインはこの小型キャビンが描かれていますが、厳密にはメインストーリーで使われた客車はもっと大型のものになっています。収容人数や物置などのスペースが倍以上大型になっており、疑似アジトとして長期運用することを目的に作られたものです。
他にも設定上では、鉄で覆われた小型の砦、大砲を撃つことのできる戦闘要塞、物資を大量に運ぶための大型貨物車、音楽祭など催しものに使われるイベント車などが存在します。

ルネは、本名をルネ・シャンブルといいます。

王宮内で働く若いメイドの1人でしたが、シバの女王に気に入られて専属のメイドとして抜擢されました。それ以来、シバの女王を裏方から支えています。実際に有能なメイドで、その仕事ぶりは「王都の盾」と呼ばれるシバの女王を磨くために必要な布のようだと称されるほどです。その働きから、ルネは「盾磨きのルネ」の通り名を持つようになりました。

通り名には、ルネの趣味も少し関係します。
変わった趣味ですが、ルネは無心になにかを磨くことが大好きなのです。特にいらなくなった小さな小瓶や小箱などを手に入れて、磨いたり手入れするのが好きです。それらを奇麗に磨いてピカピカにすると、達成感を得られて大変満足するようです。ピカピカにした小物類は自分の部屋に適当に飾っていますが、あまり物自体には執着しないので、欲しがる人がいたらすぐにあげてしまいます。
このようにルネの通り名にはシバの女王を輝かせる裏方という意味のほかに、実際になんでも磨いてピカピカにしてしまうという意味も込められているのです。暇なときには騎士団の武具なども磨いてくれることがあるので、若い騎士たちからは密かに人気があります。（通り名をつけたのも騎士団です）
しかし過去には一度、「シバの指輪」を勝手に磨いて怒られてしまったことがあります。

ルネの普段の生活は、メイドなのでとても地味なものです。
朝早く起きて、夜寝るまで、主にシバの女王の身の回りのサポートを行います。シバの女王は活動的なので、王宮から出かけることが多いのですが、基本的にルネはそこまでついていきません。ルネの仕事はあくまで王宮が中心です。
またルネはシバの女王に選ばれた専属メイドではありますが、シバの女王は自立心が強く、あまりべったり身の回りを世話させたり、いつでも指示を出せるよう用がなくとも傍に控えている、といった貴族にありがちな使い方を好まないので、メイドにしてはかなり自由な行動が可能です。

シバの女王が公務の間は特にすることがないため、王宮関係者から雑用のような仕事、王宮内の伝言や手紙を届ける、ちょっと王宮の外へ買い出しに行くといった個人的な用事まで頼まれることがあります。
本来はシバの女王専属のメイドなので断ってもいいのですが、性格的につい引き受けてしまい、時には王宮の誰かがやらかしたミスを代わりに謝って回ったり、お知らせを伝えるために駆け回ることもあります。そのため用がある際はシバの女王のほうからルネを捜しに来るという逆転現象がときどき起こっています。
それ以外の時間はすべて「盾磨きのルネ」の異名どおり、自主的に掃除などを始めます。ルネはとにかく働き者なのです。