マルコシアスの掲示板

「…おやソロモン王、私に何かご用でしょうか。
ああ、これですか？　水着のカタログです。ほら、以前助けた商人の方が用意してくださったんですよ。
前は厚意に甘えすぎるのも正義に反するというのと、懐事情の問題もあって私の分は見送りました。ですが何と、今回は色違いのモノもご用意できるとの話でしたので、せっかくなのでどちらにするか吟味していた所なんです。
受けた恩義を忘れない、彼らの正義に感謝ですねっ！　「渡る世間にバラムはいない」とは、ヴァイガルドにも良い言葉があったものです！
…そうです、よければソロモン王も相談に乗って頂けませんか？　私１人では、どちらにするかどうにも決めきれなくて。アンドレアルフスにも聞いてみたのですが、彼「めんどくせえよ、興味ねえし」の一点張りでして…
…大丈夫ですか？　ありがとうございます、ソロモン王。
まずは前回の時点で候補としてあった、白い水着ですね。
白は清純の色、まさに穢れ無き正義の色とも言えるでしょう。
まさに私にピッタリの水着だと自負しています！
…その、流石に少しだけ恥ずかしくはありますが。目立つ色ですし、透けちゃったりしないか少し心配ですし…
…コホン、それともう１つ、新しく用意してくださるという水着がこちらの黒の水着です。
私の普段着に近い色合いですね。白と比べると冒険し過ぎず、ですが無理せず背伸びもできる、私が夏を謳歌するにあたってはこれ以上ないデザインだと思います。
これまた私にピッタリの水着ですね！
…こちらはこちらで、太陽の熱をよく吸いそうで、暑くないか不安もありますが。
うーむ、やはり甲乙付けがたいですね。これはまだしばらく悩み続けることになりそうです。貴重なご意見、ありがとうございました、ソロモン王。
…ふふっ、こうしてちっぽけなことで、ああでもないこうでもないと悩める時間がある。一時的な仮初めのものとは私もわかっていますが、きっとこういうなんでもない時間こそ、正義の名のもとに守るべきものだと――」
「水着１つも自分で選べないような、ちっぽけな決断力で「正義」？」
「えっ？」
「「そんなもの」に価値ないでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ！！！」

「…という夢を見まして」
「どっちの水着も買えばいいんじゃないですかねー」