【メギドの日】未採用曲コレクション

制作過程で未採用となった楽曲を、コメントつきで公開します!

2020/07/07 15:00
目次
ポトフ うめー うめー/『「おいしい」のレシピ』のデモ曲(7/7公開)
我がヴァイクラチオン・燃えよ、筋肉Fire!/『筋肉Fire!』のデモ曲(7/8公開)
華麗なる怪盗の美学/『Who is the Phantom Thief?』のデモ曲(7/9公開)
たまには立ち止まって話さないか/『変わった世界へ、ひとりごと。』のデモ曲(7/10公開)


こんにちは、メディア・ビジョンの作曲家の寄崎諒です。
『メギド72』では作詞作曲とBGM、SEの取りまとめをしています。


今年は年始からコンサートがあり、慌ただしい始まりとなりました。
コンサートやライブは始まって終わっただけで既に100点満点ですが、年始のコンサートでは自分なりに納得のいく演奏と、メギドプロジェクトらしいユニークな公演が出来たことに満足しています。
関係者の皆様、また、ご来場いただいた皆様ありがとうございました!

最近までBlu-rayのミックス(音の調整)をしていたので、コンサートのことはいまも鮮明に思い出すことができます。Blu-rayも作曲や演奏の意図が反映されるような バランスにできたと思いますので、よかったらご視聴いただけると幸いです(宣伝になってしまいすみません)。

さて、コンサートも終えて、やっぱりメギドの音楽は良いね、ということなのか(?)、今年は去年よりも多くの歌唱曲を作れることになりました。『メギド72』では歌を作る時に2案程度作り、それをプロデューサーの宮前さんに選んでいただき、そこからブラッシュアップするという制作フローを取ることが多いです。

その過程で没になってお蔵入りしてしまった曲が幾つかあるのですが、せっかくなので、今回はそういった未採用曲たちを公開させていただこうと思います。

7/7~7/10までの毎日、計5曲を紹介します。


ポトフ うめー うめー/『「おいしい」のレシピ』のデモ曲(7/7公開)

作詞作曲 : 寄崎諒
歌 : 金田有紀子


この曲は自然にフルフルらしく歌えるように、声優の本多真梨子さんがフルフルとして喋っている時の音域を調べ作曲しました。また、テンポやリズムも喋り方に近い速度になっています。

この曲を作っていた頃にはシナリオの概要しか知らなかったのですが、書きあがったシナリオをいただいて、ある問題が発覚しました。作中で重要な役割を果たしている「原初の煮込み」を忠実に描写すると 、あまり美味しそうではないということです。

制作当時はスイーツパラダイスさんとのコラボにこの曲を使用する可能性もありました。そのため、作中と矛盾しても美味しそうに作らねばという使命感に駆られながら書いていました。

結局、この曲は子供向き過ぎるんじゃないかという意見などもあり、未採用になってしまいます。

制作過程なので、担当の声優さんではない方に歌っていただいています。
歌の方向性を考える時は、声が入ってないと完成形が想像できません。訓練を積んでいれば譜面から思い浮かべることも出来るのですが、そうすると仕上がりをイメージできる人が少なくなってしまいます。

また、音質に関しては共通の認識を持てないので、歌を録音して考えるのがベストです。「仮歌」と呼んでいますが、内容は作品のプロトタイプであり、音程やリズムのお手本なので、「仮歌」という言い方は不正確で好ましくないと感じています。
しかし、一般的な名称ではあるので、ここではそのまま使います。

金田有紀子さんには『ハルマを夢見た少女』のフィールド曲の『「自分」になる』や共襲のバトル曲『Chain World』などでも歌っていただいています。めちゃめちゃ正確で、しかもとても素早く素敵な歌を返してくれる凄いボーカルさんです。



我がヴァイクラチオン・燃えよ、筋肉Fire!/『筋肉Fire!』のデモ曲(7/8公開)

作詞作曲 : 寄崎諒
歌 : 石敢當(後藤紘明)、寄崎知紘


採用された『筋肉Fire!』は、デモとして作ったこの2曲のいいところを合成し、1曲にまとめています。
ハックとマルチネで新しい筋肉コンテンツを作りたいと思い、提案しました。曲はカンフー映画の修行などをイメージして作成しました。

リリースされた『筋肉Fire!』と比較して聴いていただくと、これらの2曲のあとにもかなりのアイデアが足されているのが、お分かりいただけると思います。マルチネの奥義の秘話を入れたり、ハックの入場曲(志操堅固の大胸筋)のナレーションを流用したりしています。

この音源の聴きどころは、仮歌の石敢當さん(後藤紘明さん)の歌です。謎のダンス曲の『Megidobics』から8章バトルの『FFPのボス戦の曲』まで、あらゆる曲調の歌を変幻自在に歌いこなすボーカルさんです。

もう一人の仮歌は妻の寄崎知紘です。アジトのデフォルトの曲の『追放アッパーグラウンド』を歌ってもらっています。 また、明日公開予定のオレイの歌を始めとするBGMや歌の作詞作曲としても参加してもらっています。

また、『筋肉Fire!』には気付かれにくいもののとても気に入ってる点があるので、この機会に書かせて下さい。

後半の「ハック」「筋肉」「ハック」「鍛錬」というところは位相(パンニング)左右に振ってあるので、左右に駆け巡る声優の小山剛志さん扮するハックのパワフルな掛け声が楽しめます。イヤホンやヘッドフォンで是非確認してみて下さい。


我がヴァイクラチオン


燃えよ、筋肉Fire!


筋肉Fire!


華麗なる怪盗の美学/『Who is the Phantom Thief?』のデモ曲(7/9公開)

作詞作曲 : 寄崎知紘
歌 : 石敢當(後藤紘明)


メギドは一人一人の違った個性が際立っていて面白いのですが、その中でもオレイは、プルフラスとの兄妹の関係性、サタナキアとの交友関係、目立ちたがり屋の怪盗など、属性がてんこ盛りでした。オレイの登場を歌で盛り上げたいというアイデアがあったので、連動して曲を作っていきました。

怪盗なのでアジト乗っ取りBGMをやろうというのは、割と早い段階に決まりました。さらに、予告状、アジトの内装の変更、奥義に歌を使用するなどの、ライターさんやプランナーさんによる様々なアイデアが加わり一層盛り上げを作ることが出来たのではないかと思います。

先述の通り、オレイは怪盗にも関わらず予告状を出して犯行に及ぶなど、目立ちたがり屋で根明な性格です。そのため、僕はこちらの『華麗なる怪盗の美学』のほうを推していたのですが、ちょうど作っていた時に『心惑わす怪しき仮面』イベントがあり、『Who is the Phantom Thief?』の原型のほうがイメージに近いという意見があり、この曲は未採用になりました。

話は変わりますが、完成した『Who is the Phantom Thief?』はタイトルが歌詞のテーマを端的に表現しており、とても良いと思っています(タイトルはプランナーさんに頼んで名付けてもらっています)。わざわざ自明なことを問いかけることによって自分が怪盗であるということを強調し、また、アシュレイという不確かな記憶から生まれる記憶の混乱や迷いも表現できているのではないかと思います。



たまには立ち止まって話さないか/『変わった世界へ、ひとりごと。』のデモ曲(7/10公開)

作詞作曲 : 寄崎諒
歌 : 石敢當(後藤紘明)


最初はライターさんがポロッと口にした「ナンパの歌」が、よく分からないし面白そうだなぁと思っていました。

その後に作曲している途中で書きあがったシナリオを読んだところ、真面目に作ったほうがシナリオに沿っているように思えたので、考えをあらためました。制作時間がなくなってきた関係からフル尺で作ってこの曲で進めさせてもらおうと思っていたのですが、新鮮味が薄く既聴感があるとの指摘があり、こちらの曲を諦め、2案目の『変わった世界へ、ひとりごと。』をブラッシュアップすることにしました。

歌詞においては『たまには立ち止まって話さないか』で全てを出し切ったので、その後の作詞が大変でした。「自分の世界」を変えるような友人と出会い、どのような生き方の変化があったのか、その大事な友人が死んでしまった後の人生をどう生きるのかを描いています。

『たまには立ち止まって話さないか』では、本編で何回か出てくるヴァイガルドの死者の鎮魂の祝詞をちょっと変えて使っています。本来は「死者の国へ去れ」で終わるのですが、この曲では魂が去ってほしくないので少し表現を変えました。



毎月新しいシナリオを読むたびに、このゲームは面白すぎる!!!!と思いながら作曲をしています。未だに怒闘を覚えたところですが、新規タクティカルソートは徐々に覚えています!

そんな風に日々楽しみながら制作しているのが伝われば幸いです。
これからも『メギド72』をよろしくお願いいたします。


本日で「未採用曲コレクション」の更新は終了となります。最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

タイトル メギド72
ジャンル 絶望を希望に変えるRPG
対応OS iOS/Android
推奨環境 iOS11.0以降 / Android5.0以上
(RAM2GB 以上) ※一部端末除く
価格 アイテム課金制
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